お客様へ、働く人への想いが地球環境につながる。
埼玉サービスセンターの取り組み。
2023/07/27

ボディーコーティングなどの作業を行うエリアのほかに認定中古車撮影スペースなどがある2階。



MEZASU[めざす]
ボルボが“めざす”のは、「人」を守り「人の未来」も守ること。人だけでなく、地球にもポジティブな未来のために、私たちが実践しているサステナビリティをご紹介します。



2021年5月に開設された埼玉サービスセンターは、首都圏6つの直営店(目黒店、練馬店、世田谷店、杉並店、東名横浜店、横浜港北店)の新車整備・板金塗装などの重整備の作業や、認定中古車の商品化、在庫車の一時保管などを一挙に受け入れる、ボルボ・カー・ジャパンの一大拠点です。質の高いサービス体験をつくることをめざし、ボルボらしく環境と人の健康にも配慮したセンターに、今回、特別に訪れる機会をいただきました。ここではどんなサステナブルな取り組みをしているのか、お話を伺ってきました。



埼玉サービスセンターの役割とは?



埼玉県・川島ICの近くに位置する埼玉サービスセンター(以下、埼玉SC)に、開設準備から関わってきた荒木さんに特別に案内していただきました。





ボルボの各販売店では、お客様のニーズに合わせた車の提案や試乗のご案内、納車前の説明や、車検・点検、および一般整備など、幅広いサービスを提供しています。なかでも新車の「納車前整備」や、ダメージを負ったボディの修復をする「板金塗装」などは、店舗のスタッフの作業時間はもちろん、保管スペースが大きな負担になっていたのだそうです。

「店頭のスタッフたちの作業負担を減らして、お客様へのサービスにより集中できる環境を整えるためにできたのが、この埼玉SCです。首都圏6つの直営店における納車前整備と板金塗装の対応を一括で担当しています。」と荒木さん。



働く人と地域を大切に思うことが、地球環境への配慮につながっている



埼玉SCの2階から屋上は、ほとんどが車両の駐車スペースです。スウェーデンから届いた新車車両、中古車やお客様からお預かりした板金車両を一元管理。この施設の管轄で約400台ものストックができるのだそう。

主要な作業スペースは1階に集約にされています。半分が納車前整備エリア、もう半分のスペースは板金塗装のエリアです。とても印象的だったのは、作業をする現場であるにも関わらずどこも清潔で、板金塗装エリアでも塗料の刺激臭などがほとんどしません。
その理由は、有害な有機溶剤(シンナーなど)を使わない水性塗料を使用しているためです。シンナーなどの有害な物質を含む溶剤系塗料の方が技術的に扱いやすいものの、大気汚染や光化学スモッグの原因となるため、ボルボでは1991年から水性塗料に切り替えています。製造段階から環境に配慮しているボルボらしい取り組みのひとつです。



環境に配慮した水性塗料。



「地球環境への配慮はもちろんですが、ボルボは、働く人たちの健康もとても大切にしています。スタッフが健康でなければ、最高の技術もサービスも提供できません」と荒木さん。

人の健康にも、環境にも配慮した水性塗料を使うことのほかにも、作業で飛び散る塗料などの粉末を吸い込まないようにするための空調設備、吸引機を備えたアルミニウムを扱うための専用エリアが設けられています。また塗料などの乾燥に使う機材を天井から吊り下げて動きやすい動線と作業負担をサポートする仕組みなど、埼玉SCでは人の健康を最優先に考えられています。



スタッフが吸い込まないよう、削り落とした塗料などを床下から吸引する空調を完備。



ほかにも地球環境に配慮したサステナブルな取り組みを行っています。
1つに、屋上階には太陽光パネルが設置されていました。ここで発電した電力は、施設の一部に使用されています。また蓄電池も備えているので、災害などの緊急時には近隣の方々に電力供給ができるような仕組みも考えているそうです。



屋上に設置している太陽光パネルの発電量、充放電レベルなどをエネルギーモニターで状況を確認することができる。



そして、雨水の利用です。施設の横には3000ℓの貯水タンクが設置されています。雨水は、主に洗車機や高圧洗浄機などに使用されています。水資源の有効活用だけでなく、災害時や断水時のトイレなど非常用水としても活用しています。



雨水利用システムは最大3000ℓの雨水を貯蔵することができる。



埼玉サービスセンターから始まる、お客様サービス



「ここは、お客様が直接訪れることのできない施設ですが、ボルボがめざすお客様満足度向上のための重要なスタート地点なのです」と荒木さん。

埼玉SCが稼働して、さまざまなメリットが生まれたといいます。
ICに近い立地のため、新車車両の保管場所として活用することで在庫の一元管理ができ、物流がより効率的にすすめられるようになったこと。また新車の納車前整備などの作業を集約したので、直営店ではお客様に満足いただける幅広いサービスの提供に、より集中できるようになりました。直営店で頭を悩ませていたお客様からお預かりした車両の保管場所や整備時間の確保ができて、お客様の待ち時間も大幅に短縮できているそうです。

もう一つは、世界トップレベルの整備品質。新車の納車前整備や、ダメージを負ったボディを修復する板金や塗装などを担当するのは、全員ボルボの社員です。板金修理においてもグローバル基準に基づいたトレーニングを定期的に受けた専門のスタッフが『必ず新車と同じ機能と安全性に戻してお客様にお渡しする』鉄則のもとに、作業を行っています。

荒木さん「直営店がお客様へのサービスにより集中できる環境を整え、質の高い修理や整備を行うことで、埼玉SCはお客様満足度を支えることができている、と実感しています。埼玉SCがモデルケースとなって、この仕組みがほかのエリアへ広がるよう取り組んでいきたいです」。
ボルボの品質と安全性を支える埼玉SCの取り組みは、お客様のために、働く人に、地球環境にも、全てにつながっていました。2030年までに、販売する車全てをEVにするための取り組みを進めています。埼玉SCは、これから増えていくEV車とともに、ますます専門性とサービスを高めていこうと目標に向かうボルボの重要な拠点でした。